宝石の写真・名前・知識・価格
あ〜お か〜こ さ〜そ た〜と な〜の
は〜ほ ま〜も やゆよ ら〜ろ
あ 〜 お
アイオライト <菫青石>
(Iolite)
 アイオライトの名は、ギリシャ語で青色の宝石を意味する「Violet」に、由来するという。
 このように、ブルーサファイア似の青色のアイオライトは、川床から取れることもあって、「ウォーター・サファイア」の別名があり、実際サファイアと混同される事もあったようである。

 アイオライトは多色性の強い石として有名で、正面から濃く青色に見える石も、横から見ると淡くくすんだ黄色を示す。そして、この事がサファイアとの区別を容易にしている。
■主 な 色:帯紫青色、青色、帯褐青色
■透 明 度:透明ないし半透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7-7.5
■比   重:2.53-2.78
■屈 折 率:1.522-1.578
■多色性: 三色性(強)帯紫青色、淡灰黄色、淡青色
■産   地:スリランカ、ミャンマー、マダカスカル、インド、ブラジル、タンザニア、ナミビア
■価   格: ☆☆

リング
K18枠 D 0.07ct
¥39,800

アクアマリン
(Aquamarine)
 アクアマリンの語源は、ラテン語で「水」を表すアクアと、「海」を表すマリンから来ている。
 アクアマリンはエメラルドと鉱物的には同じベリルに属するが、内包物が多く割れやすいエメラルドに比べて、澄んだ色の石が多い。

 近年、アフリカのモザンビーク産のアクアマリンが脚光を浴びている。その色の濃いアクアマリンは、「サンタマリア・アフリカーナ」と名付けられ、かなり高値で取引されている。
■主 な 色:海水青色
■透 明 度:透明、半透明(キャッツ石)
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7.5-8
■比   重:2.63-2.83
■屈 折 率:1.562-1.602
■産   地: ブラジル、ナイジェリア、モザンピーク、マダカスカル
■誕 生 石:3月
■価   格: ☆☆

リング
Pt枠 A 5.46ct D 0.32ct
¥99,800

アメシストは水晶類を参照
アレキサンドライト
(Alexandrite)
 アレキサンドライトは1830年ロシアのウラル山中で発見されたが、時のロシア皇太子(アレキサンドル2世)にちなんで命名された。
 太陽光線下と白熱電球下とではその色を変える「変色性」を持ち、その希少性から非常に高値で取引されている。

 アレキサンドライトはキャッツアイと同じくクリソベリルに属する。片や「変色性」片や「変彩効果」と、宝石の中でも際立った特徴を持つ2つの石が、鉱物的には実は同じ石なのである。
■主 な 色:帯青緑色、緑色、暗緑色(変色性:緑色から赤色へ)
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 8.5
■比   重:3.71-3.72
■屈 折 率:1.745-1.759
■多 色 性:三色性(強)緑色、黄緑色、褐赤色(良質石は紫赤色)
■産   地: ブラジル、スリランカ、、ジンバブエ、タンザニア、ミャンマー、ロシア(ウラル)
■価   格: ☆☆☆☆☆

リング
Pt枠 A 0.79ct D 0.26ct
¥298,000

アレキサンドライト・キャッツアイ
(Alexandrite Cat's-eye)
 今上記にアレキサンドライトとキャッツアイは鉱物的には同じ石であると書いた。
 そうすると、「変色性」を持ち且つ「変彩効果」をも示す石が存在しそうなものであるが、それが実在する。「アレキサンドライト・キャッツアイ」がそれである。

 キャッツアイ効果を持ち、自然光下と人口光下でその色を変える、マニア垂涎の稀少石である。
■主 な 色:帯青緑色、緑色、暗緑色
■透 明 度:半透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 8.5
■比   重:3.6-3.7
■屈 折 率:1.74-1.77
■多 色 性:三色性(強)緑色、黄緑色、褐赤色
■産   地: スリランカ、タンザニア、インド
■価   格: ☆☆☆☆

リング
Pt枠 AC 0.657ct D 0.58ct
¥99,800

アンダリュサイト <紅柱石>
(Andalusite)
 この石が初めて発見されたスペインのアンダルシアの地名から、その名を付けられた。

 アンダリュサイトは多色性顕著な石として知られている。石を回転して見ると、黄色、緑、赤色を示すのである。
 左の写真の複数のアンダリュサイトが、見る角度により取り取りの色を示しているのが、お解かりいただけるだろうか。

 この「多色性」を、光線の違いで色を変える、アレキサンドライトの「変色性」と混同しがちなので、注意を要する。
■主 な 色:黄色、帯褐赤色、緑色、帯灰緑色、暗緑色、
■透 明 度:透明〜不透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 6.5-7.5
■比   重:3.13-3.17
■屈 折 率:1.629-1.650
■多 色 性:三色性(強)帯灰緑色:帯褐黄色:暗赤色
■産   地: ブラジル、スリランカ、アメリカ
■価   格:

ブローチ
K18枠 A 5.57ct D 0.15ct
¥59,800

インカ・ローズ (ロードクロサイト)
(Inca Rose) <Rhodochrosite>
 ロードクロサイトの「ロード(Rhode)」は、ギリシャ語でローズつまりバラ色を意味し、そのピンクの色はマンガンに起因している。

 正式名称は「ロードクロサイト」であるが、アルゼンチンのアンデス山中から産する、ローズ色の石に付けられた、「インカ・ローズ」の俗名の方が知られている。

 ピンク色の美しい石であるが、インクルージョンを多く含み、濁った感じの石が多い。
■主 な 色:ピンク色、ローズ色、濃ピンク色、帯橙赤色、黄灰色
■透 明 度:半透明ないし不透明
■光   沢:ガラス光沢(真珠光沢に近い)
■硬   度:モース 3.5-4
■比   重:3.4-3.6
■屈 折 率:1.578-1.840
■産   地: アルゼンチン、アメリカ
■価   格:

リング
K18枠
¥35,800

インタリオ
(Intaglio)
 めのうの縞模様を生かして、女性の横顔などを浮き彫りにしたものを「カメオ(Cameo)」という。

 これに対し、沈み彫りを「インタリオ(Intaglio)」といい、コハク、カーネリアン、カルセドニー、アメシストなどの単色の宝石の底に、紋章や人物像などが彫りこまれている。

 広義には、インタリオとは印刷・版画の凹版技法全般を指すようである。

 インタリオの歴史はカメオよりむしろ古く、数千年前メソポタミア文明の初め頃から、印章などとして使われて来たという。

 有名なカメオに対し、知名度や人気の点でも今ひとつの感があるインタリオであるが、技術的にはむしろカメオより難しいようだ。

 写真のコハク・インタリオは、濃褐色のコハクの底に、ほの白い花籠が彫りこまれた、中々洒落たものである。

ペンダントネックレス
K18枠 コハク・インタリオ
¥15,800

エメラルド
(Emerald)
 クレオパトラがエメラルド鉱山を所有していた話は、余りにも有名であるが、古来よりあったこの宝石の主要産出国は、現在80%を算出する南米コロンビアである。また、良質なエメラルドのほとんどがコロンビア産といえる。

 エメラルドの美しいグリーンはクロムの含有に起因するが、それが同時に、エメラルドのキズの多さの原因にもなっている。
 このキズにオイルを含浸し、目立たなくさせる化粧工程が、原産地では何百年に渡って行われてきた。 
■主 な 色:緑色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7.5-8
■比   重:2.68-2.78
■屈 折 率:1.566-1.600
■多 色 性:二色性(明)帯黄緑色、帯青緑色
■産   地: コロンビア、ザンビア、ブラジル、ジンバブエ、ロシア、インド、南アフリカ、パキスタン、モザンビーク
■誕 生 石:5月
■価   格: ☆☆☆☆

リング
Pt枠 E 3.10ct D 0.41ct
¥498,000

オニキスはめのう類を参照
オパール
ウォーター・オパール
(Water Opal)
 オパールの世界的な二大産地は、オーストラリアとメキシコである。
 オーストラリア産のオパールが半透明なのに比べて、メキシコ産のオパールは透明度が高い特徴を持つ。

 そして、メキシコ産のオパールの中でほとんど無色透明なものを「ウォーター・オパール」と称し、赤色に近いものを「ファイアー・オパール」と称する。 
■主 な 色:無色、
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 5.5-6.5
■比   重:2.00
■屈 折 率:1.42-1.43
■産   地:メキシコ、ホンジュラス
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆☆

リング
Pt枠 O 3.14ct D 0.19ct
¥198,000

ファイアー・オパール
(Fire Opal)
 上記の如く、メキシコ産のオパールの中で黄色〜橙色〜赤色までの地色を持つオパールを称する。
 「ファイアー・オパール」は地色は確かに綺麗だが、反面「遊色効果」を示す石は少ないように思える。

 日本におけるオパールの人気は高く、メキシコ産のオパールもかってはその大半が日本に輸入された時代もあったが、オパールは乾燥すると亀裂を生じやすく、現在はその取り扱い量を減じている。
■主 な 色:黄色、橙色、赤色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 5.5-6.5
■比   重:2.00
■屈 折 率:1.42-1.43
■産   地:メキシコ、ホンジュラス
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆☆

リング
Pt枠 O 1.40ct D 0.42ct
¥99,800

ブラック・オパール
(Black Opal)
 20世紀に入って初めてオーストラリアで発見されたブラック・オパールは、以下3種類のオーストラリア産オパールの白眉であり、オパールの中で最も高価なオパールでもある。

 ホワイト・オパールに比し、青灰色〜黒色の暗色の地色を持つものを言う。
 暗色の度合いの足りない灰色の地色のものを、「セミブラック・オパール」と称することがある。

 写真の石は、漆黒の地肌に赤斑を始め鮮やかな遊色効果を示す、最高級品である。
■主 な 色:緑色、青色、青灰色、黒色
■透 明 度:半透明
■光   沢:樹脂光沢
■硬   度:モース 5.5-6.5
■比   重:2.10
■屈 折 率:1.44-1.47
■産   地:オーストラリア
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆☆☆

リング
Pt枠 BO 3.14ct D 0.20ct
¥598,000

ボルダー・オパール
(Boulder Opal)
 ブラック・オパールと共にオーストラリアに産出し、外見もブラック・オパールに似ているが、褐鉄鉱の母岩の上に付着するようにオパール層を形成している点が、ブラック・オパールと違っている。

 裏側をひっくり返してみると、ブラック・オパールが灰色か黒色のオパール層なのに比し、ボルダー・オパールが褐色の褐鉄鉱が母岩となっているので、容易に見分けが付く。

 オパールの層が薄いだけに、価格は同様に美しいブラック・オパールの約3分の1位のものである。
■主 な 色:褐色、緑色、青色、青灰色、黒色、
■透 明 度:半透明
■光   沢:樹脂光沢
■硬   度:モース 5.5-6.5
■屈 折 率:1.44-1.47
■産   地:オーストラリア(クイーンズランド州)
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆

リング
Pt枠 BO 2.86ct D 0.24ct
¥89,800

ホワイト・オパール
(White Opal)
 オーストラリア産の代表的オパールであり、単に「オパール」と言う場合はこの「ホワイト・オパール」を指す位、最もポピュラーなオパールである。
 地色が淡白色〜乳白色の白色主体の明るい色調のオパールを言うが、広く市場に溢れているだけに、他のオパールに比べて割と安価である。

 古くからはハンガリー(現チェコスロバキア)産のものが有名であったが、その後オーストラリアで産出を見た。
 オーストラリアはその後ブラック・オパールをも産出し、その結果、オーストラリアはオパールの世界の二大産地の一つとなった。
■主 な 色:白色
■透 明 度:半透明
■光   沢:樹脂光沢
■硬   度:モース 5.5-6.5
■比   重:2.10
■屈 折 率:1.44-1.47
■産   地:オーストラリア、ブラジル、チェコスロバキア
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆

リング
Pt枠 O 4.01ct D 0.29ct
¥79,800

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か 〜 こ
ガーネット
アルマンディン・ガーネット
(Almandine Garnet)
 ガーネットとは単独の宝石名ではなく、同じ結晶系の珪酸塩鉱物のグループ名であり、次の7種類のガーネットがある。
 @アルマンディンAロードライトBパイロープCスペサルタイトDグロッシュラーライトEアンドラダイトFウバロバイト

 アルマンディン・ガーネットは通常暗赤色〜濃赤色で、さらに濃色のものは黒色に近くなる。
 一般に「ガーネット」と言われているものは、この「アルマンディン・ガーネット」のことである。
■主 な 色:赤色、暗赤色、帯紫赤色、帯褐赤色、帯褐黒色
■透 明 度:透明、半透明(スター石)〜不透明(黒色)
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7.5
■比   重:3.95-4.25
■屈 折 率:1.78-1.83
■産   地: ブラジル、モザンビーク、マダカスカル、タンザニア、スリランカ、インド
■誕 生 石:1月
■価   格:

リング
Pt枠 G 2.93ct D 0.04ct
¥69,800

グリーン・グロッシュラーライト・ガーネット
(Green Grossularite Garnet)
 グリーン・グロッシュラー・ガーネットには透明なものと半透明なものと2種類ある。
 緑色半透明のグロッシュラー・ガーネットは、「アフリカひすい」の別名でひすいの代用石に使われる程度であったが、1970年代に東アフリカから、目の覚めるような緑色透明石が産出されるようになった。

 バナジウム着色によるこのグリーン・ガーネットを、ティファニーが、産出されるツァボ国立公園にちなんで「ツァボライト」として大々的に売り出し、一躍脚光を浴びるようになった。
■主 な 色:緑色
■透 明 度:透明〜半透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7
■比   重:3.36-3.55
■屈 折 率:1.735
■産   地: (透明石)タンザニア、ケニア、(半透明石)南アフリカ
■誕 生 石:1月
■価   格: ☆☆☆(透明石)

リング
Pt枠 GG 1.30ct D 0.43ct
¥89,800

ロードライト・ガーネット
(Rhodolite Garnret)
 ロードライト・ガーネットは1882年にアメリカのノースカロライナ州で発見された。
 アメリカの鉱床は枯渇してしまったが、その後1960年代にタンザニアでも産出されるようになった。

 ロードライトという名は、ギリシャ語の「ロード(薔薇)」と「ライト(石)」から付けられた。

 アルマンディンとパイロープの中間の成分で、アルマンディンの赤色に比べて、紫がかっているのを特徴とする。
 世間的には非常に人気のあるガーネットである。
■主 な 色:赤色、帯紫赤色、紫赤色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7.5
■比   重:3.70-3.95
■屈 折 率:(1.74-1.78)
■産   地:タンザニア 、スリランカ、マダカスカル
■誕 生 石:1月
■価   格:

ペンダントネックレス
K18WG RG 2.88ct D 0.12ct
¥29,800

カメオ
シェル・カメオ
(Shell Cameo)
 凸版に浮き彫りにされたものを「カメオ(Cameo)」というが、宝石ではめのうを素材にした「ストーン・カメオ」と、シェル(貝殻)を素材にした「シェル・カメオ」に大別される。

 先ず、ストーン・カメオはヘレニズム時代のエジプトに生まれ、何度かのブームを経て受け継がれて来たが、近年では、戴冠式に数十個のカメオの冠をしたナポレオンにより、ヨーロッパで大流行した。
 その時、高価なストーン・カメオを購えない一般大衆の需要に応えたのがシェル・カメオであった。

 その時の技術を継承した、イタリア、ナポリ近くの「トツレ・デル・グレコ」の町が、今や世界のシェル・カメオのほぼ100%を生産する、一大生産地となっている。

 このように、最初はストーン・カメオの代替品としての性格が強かったシェル・カメオであるが、最近ストーン・カメオが機械で複製されるようになって、価格面で(機械彫りのストーンカメオと)逆転する現象が起きている。

 基本的に手彫りの、シェル・カメオの価格を決めるのは、職人の知名度である。写真のシェル・カメオは有名作家によるものである。

ブローチ
K18枠 60mm
F・ガロファロ作
¥89,800

ストーン・カメオ
(Stone Cameo)
 ストーン・カメオは、メノウの縞模様を利用して浮き彫りにしたものであるが、その縞模様も直線状でなければならず、素材となり得るめのうの種類は限られてくる。実際、ストーン・カメオを造るのに適するものは、めのうのの中でせいぜい1%位のものだという。

 また、めのうは硬度7の硬い鉱物で、ここに彫刻するためには金属製の金具では不可能で、高速で回転するリューターにダイヤモンド粉末を付着させて、彫刻するという。
 硬いめのうに繊細な表情を彫りこむには、高度の技術を習得した職人による、根気の要る作業が必要である。
 
 このように種々の理由で、ストーン・カメオというものは、昔はかなり高価なものであった。
 そんなストーン・カメオの世界に異変が起きたのは、5〜6年前の事である。何と、1枚のカメオの原版から超音波により、多数のカメオが複製できるようになったのである。

 今や、彫り賃が只みたいになった(機械彫りの)カメオの価格を決めるのは、周りの造り如何である。オニキスや白蝶貝で縁取りした豪華なカメオが、昔では考えられない価格で市場に溢れることになる。  

ブローチ
K18枠 50mm
オニキス・白蝶貝入り
¥39,800

貴金属

(Gold)
 「貴金属(Precious metal)」とは、空気中で酸化されず、また、容易に化学変化を受けずに、常に美しい金属光沢を保つ金属をいい、産出量が少なく高価なものをいう。実際には、代表的な金・銀・プラチナに、白金族元素のパラジウム・ロジウム・イリジウム・ルテニウム・オスミウムを加えた8元素をいう。

 その中で、「金」は化学的に安定していて、「王水」(濃塩酸3:濃硝酸1の混合液)以外には溶けず、かつ、その地色の黄金色により、古来より世界各地で、宝飾品や貨幣に使用されて来た。
■主 な 色:金色

■光   沢:金属光沢

■硬   度:モース 2.5

■比   重:19.30

■産   地:アフリカ、アメリカ、ロシア、オーストラリア、カナダ、南アメリカ

■価   格:純金 \1510/g 
(税込小売価格:2003/8/15)

ネックレス
K18 45.5g
¥79,800


(Silver)
 プラチナや金が化学的に安定していて、酸やアルカリに溶けないのに比べて、銀は硝酸や濃硫酸に溶ける。しかも、空気中の亜硫酸ガスや硫化水素と反応して硫化銀となり、黒ずむ性質がある。
 また、銀の産出量はおよそ金の10倍といわれる程多く、希少性に欠けるため、宝飾品というよりはアクセサリーとして使用されている。

 何から何まで2番煎じのように思われがちな銀であるが、電気及び熱の伝導率に関しては、金属の中で最も大きい。
■主 な 色:銀白色

■光   沢:金属光沢

■硬   度:モース 2.5

■比   重:10.50

■産   地:メキシコ、ロシア、アメリカ、カナダ、ペルー

■価   格:純銀 \21/g
(税込小売価格:2003/8/15)

ブローチ
SV枠 P 7.9mm 総重量 8.0g
¥5,800

3カラー
(3Color)
 金製品は純金でなく、他の金属との合金であることが多い。これは、純金が柔らかくキズが付きやすいためである。
 このように、金に他の金属を混ぜて合金を造ることにより、その硬さや色を変える事ができる。

 例えば、18金とは24分の18が金で、残り6が他金属(割金という)の合金であるが、その割金は通常銀と銅である。
 そして、銀と銅が5対5だと、普通の「イエローゴールド」だが、銅を7以上にすると(銀は3以下)、「赤金」(レッドゴールド)となる。
 この時銀の中にパラジウムをいれると、銅の赤が薄まり「ピンクゴールド」となる。

 逆に銀を7以上にすると(銅は3以下)、青っぽい「青金」(グリーンゴールド)となる。

(以下は、下の「ホワイトゴールド」へ続く)  

ペンダント
K18枠
¥22,800

プラチナ
(Platinum)
 プラチナは融点1769℃ 比重21.4だが、金の融点1064℃ 比重19.3と比べて高く、また、酸・アルカリに溶けず、化学的に安定しており、加工しやすい。
 一方で、プラチナは他の貴金属、金・銀に比べて、最も稀産(金の20分の1位)で高価である。
 これらが、比較的新しく登場したプラチナが、「貴金属の王」と呼ばれている理由である。

 また、気品に満ち、重厚な雰囲気を持つプラチナは、絢爛とした金製品で身を飾る事を、成金趣味として嫌う日本人の心情に合致して、今や世界の宝飾用のプラチナの90%は日本で消費されるという、特異な状況を生み出した。
■主 な 色:銀灰色

■光   沢:金属光沢

■硬   度:モース 4

■比   重:21.4

■産   地:南アフリカ、カナダ、アメリカ、ロシア

■価   格:純白金\2854/g 
(税込小売価格:2003/8/15)

ネックレス
Pt 18.4g
¥79,800

ホワイト・ゴールド
(White Gold)
(上の、「3カラー」から続く)

18金の合金で残りの24分の6を全部パラジウム(またはニッケル)にすると、全体が白くなる。これが「ホワイト・ゴールド」である。

 このように、「ホワイト・ゴールド」とは、文字通り白い色をした金の事である。これを、和名で「白金」と書く「プラチナ」と混同してはならない。

 白い金といっても、実際はやや金色を帯びた白である。そのため、製品化においてはロジウム・メッキを施す場合が多い。

 以前は割金にニッケルを使用していたが、ニッケルは金属アレルギー等の弊害を起こすため、現在はパラジウムで割る事が多い。

 最近のように、プラチナの価格が金の倍近くまで高騰してくると(上記の「金」と「プラチナ」の価格を参照)、プラチナに代わって、ホワイト・ゴールドの製品が市場に溢れるようになった。

ネックレス
K18WG 54.0g
¥99,800

キャッツアイ
(Cat's-eye)
 内部に平行状にインクルージョンが密集している宝石を、カボッション・カットして光を当てると、その平行状インクルージョンの直角方向に、猫の目のように白い光の線状が現れる。これを「シャトヤンシー効果」(俗に「キャッツアイ効果」)という。

 キャッツアイの名が付く宝石は多いが、その代表的もので価値的に高価なのは、「クリソベリル・キャッツアイ」である。
 そして、地色がハニー・カラー(蜂蜜色)で、線状が3本(3本筋)のものを最高とする。 
■主 な 色:黄色、帯緑黄色、帯黄緑色、緑色、褐色、蜂蜜黄色
■透 明 度:半透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 8.5
■比   重:3.68-3.73
■屈 折 率:1.744-1.770
■多 色 性:三色性(強)褐黄色、黄緑色、灰緑色
■産   地:スリランカ、 ブラジル
■価   格: ☆☆☆

リング
Pt枠 C 3.70ct D 1.41ct
¥398,000

キュービック・ジルコニア
(Cubic Zirconia)
 現在、ダイヤモンドの代用石として、市場に最も流通しているのは「キュービック・ジルコニア」である。
 これは、酸化ジルコニウム(ZrO2)を安定剤:酸化イットリウム(Y2O3)または酸化カルシウム(CaO)で化合させたもので、[ZrO2(+Y2O3,CaO)]なる化学式を持つ。

 安定剤の種類・添加量により特性値は多少変わるが、硬度:7.5-8.5、屈折率:(単)2.15-2.18でダイヤに近く(ダイヤの硬度:10、屈折率:2.417)、分散率は0.060でダイヤよりむしろ高く(ダイヤ:0.044)、輝いて見える。
■主 な 色:無色、各色(着色剤添加による)
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7.5-8.5
■比   重:6.0前後
■屈 折 率:2.15-2.18
■価   格:

イヤリング
K18枠
¥8,800

クオーツは水晶類を参照
クンツァイト (スポデューメン)
(Kunzite) <Spodumene>
 1902年にアメリカの宝石学者クンツ博士により発見されたので、この名がある。
 ライラック・ピンク色のクンツァイトは、エメラルド・グリーンのヒデナイトと同じスポデューメンという鉱物に属する。

 多色性が強く、石を角度を変えて見ると、無色〜ピンク色〜紫色が観察される。

 この石は割れやすいので、加工には注意を要する。
 この石のもう一つの困った性質は、退色性があることである。時間が経つと色が薄くなってしまうのである。
■主 な 色:ピンク色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 6.5-7.5
■比   重:3.0-3.2
■屈 折 率:1.653-1.682
■多 色 性:三色性(強)無色:ピンク色:紫色
■産   地: ブラジル、マダカスカル、、アメリカ、ミャンマー
■価   格: ☆☆

リング
K18枠 K 18.73ct D 0.126ct
¥128,000

こはく
(Amber)
 こはくは、今から約5000万年前の第三紀始新世の、松柏科植物の樹脂が化石化したものである。

 主要産地はロシアのバルト海沿岸である。バルト海の海底には大量の資源があり、海水で運ばれて、バルト海に面した国々で採取される。

 中に昆虫等が入ったものは珍重される。
 また、こはくの小片を200℃〜250℃で加熱・融解させた、「アンブロイド」という再生品が存在する。
■主 な 色:黄色、褐色、
■透 明 度:透明または半透明
■光   沢:樹脂光沢
■硬   度:モース 2.5
■比   重:1.03-1.10
■屈 折 率:1.54
■産   地: ロシア、ミャンマー、シシリー島、ルーマニア、アメリカ
■価   格:

ペンダント
K18枠 D 0.08ct
¥49,800

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さ 〜 そ
サファイア
サファイア
(Sappire)
 サファイアとルビーは同じコランダム宝石である。赤色のものをルビーといい、それ以外は全て、イエロー・ピンク〜等の名を冠してサファイアと称するが、単にサファイアという場合はブルー・サファイアを指す。

 コーン・フラワー(矢車草)色のサファイアを産したインド・カシミール地区や、ロイヤル・ブルー色のサファイアを産したミャンマーは、ほとんど産出がなく、現在主要な産出国はスリランカである。
 スリランカ産サファイアは色が薄いきらいがあるが、色調が明るい傾向を示す。
 タイ産のサファイアは暗い色のブルー・ブラック色を示し、評価は下がる。
■主 な 色:無色、青色、緑色、黄色、紫色、黄金色、ピンク色、褐色
■透 明 度:透明、半透明(スター石)
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 9
■比   重:3.99-4.05
■屈 折 率:1.757-1.776
■多 色 性:二色性(強)
青色石=帯緑青色、濃青色
緑色石=帯黄緑色、緑色
■産   地: ミャンマー、スリランカ、タイ、オーストラリア、インド(カシミール)
■誕 生 石:9月
■価   格: ☆☆☆

ペンダントネックレス
K18枠 S 3.35ct D 1.63ct
¥398,000

パパラチァ
(Padparascha)
 ブルー以外に種々の色があるサファイアの中で、最高級にランクされるのが、「パパラチャ」と呼ばれる、オレンジがかったピンク色のサファイアである。

 「パパラチャ」は、ルビー以外に独立した名前が付けられている唯一のサファイアである。
 パパラチャとは、スリランカの言葉で蓮の花を意味する。

 今までスリランカでしか産出されなかったが、近年アフリカでも発見されたとの報告がある。
■主 な 色:帯橙ピンク色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 9
■比   重:3.99-4.05
■屈 折 率:1.757-1.776
■多 色 性:二色性(強)
■産   地: スリランカ
■価   格: ☆☆☆☆

ペンダント
K18WG PS 1.46ct D 0.11ct
¥158,000

ピンク・サファイア
(Pink Sapphire)
 上に、ルビー以外のコランダム宝石は全てサファイアで総称すると書いた。
 それでは、「ルビー」と「ピンク・サファイア」はどのようにして決められるのであろうか?

 ある鑑別機関の講師によると、マスター・ストーン(比べ石)を用いて、複数の鑑別士の合議によるという話であった。
 そうすると、この石はルビーになり損ねたサファイアという事になるが、ピンク・サファイアは人気が高く、売れ筋商品である。
■主 な 色:ピンク色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 9
■比   重:3.99-4.05
■屈 折 率:1.757-1.776
■多 色 性:二色性(強)
■産   地: スリランカ、ミャンマー、東アフリカ
■誕 生 石:9月
■価   格: ☆☆☆

ペンダントネックレス
Pt枠 PS 1.14ct D 0.03ct
¥59,800

さんご
(Coral)
 珊瑚はイソギンチャクと同じ腔腸動物のサンゴ虫が群棲し、その骨格の部分が長い年月の間に樹枝状になったものである。

 宝石に用いられるさんごは、南海の水深100〜1000mの海底に生育する、触手が8本ある八放サンゴで、珊瑚礁を形成する、触手が6本ある六放サンゴは別種のものである。

 かっては淡いピンク色のさんごを本ボケ(外国ではエンゼル・スキン)と呼び、珍重された時代もあったが、現在高値で取引されるのは、主に土佐沖で取れる「血赤さんご」である。 
■主 な 色:赤色、ピンク色、白色
■透 明 度:不透明
■光   沢:無光沢〜ガラス光沢
■硬   度:モース 3.5
■比   重:2.6-2.7
■屈 折 率:1.49-1.65
■産   地: 土佐沖、東シナ海、八丈・小笠原近海、マレーシア、地中海
■誕 生 石:3月
■価   格:
 (血赤)☆☆☆
 (他色)

リング
K18Pt枠 C 13.5mm
¥138,000

白蝶貝・黒蝶貝
 本来は、南洋パールを養殖するものを白蝶貝、ブラック・パール(黒蝶真珠)を養殖する貝を黒蝶貝という。

 その貝殻が美しいため、最近宝石の素材に用いられるケースが増えてきた。

 写真は、黒蝶貝と白蝶貝の貝殻を、トンボの羽に見立てて造られたブローチである。

 黒蝶貝の貝殻が黒、そして白蝶貝の貝殻が白と、それぞれの真珠の色と密接に結びついているように見えるのは、貝殻を造る外套膜の細片(ピース)で真珠を養殖する事を考えてみれば、当然の事である。

 また、真珠の真珠層も貝殻の真珠層も同じもので、貝殻も一種の真珠と考えれば、貝殻を宝石の素材に充てようと思いついたのは、自然の趨勢だったのかもしれない。

ブローチ
K18枠 白・黒蝶貝 D 0.12ct
¥37,800

水晶類
アメシスト <紫水晶>
(Amethyst)
 アメシストの語源であるギリシャ語には、「酒に酔わせない」という意味があり、古代ギリシャでは酒に酔わないお守りとされていた。

 和名「紫水晶」の通り、紫色の水晶であり、紫を高貴の色として尊ぶわが国では愛好家も多く、水晶の中では最も高く評価されている。
 しかし、アメシストは世界各地で多く産出されるため、その人気の割には、高品質のものが比較的安価に入手する事ができる。
■主 な 色:紫色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7
■比   重:2.65
■屈 折 率:1.544-1.553
■多 色 性:二色性(明瞭)紫色、赤紫色
■産   地: ブラジル、ウルグァイ、マダカスカル、ロシア(ウラル地方)
■誕 生 石:2月
■価   格:

ペンダントネックレス
K18WG枠 A 32.22ct D 0.06ct
¥59,800

クオーツ <水晶・石英>
(Quartz)
 地殻を構成する主要鉱物である石英で、結晶質のものの総称であるが、クオーツには無色透明な水晶(ロック・クリスタル)、色の付いたアメシスト、シトリン、スモーキー・クオーツ、ローズ・クオーツ等が含まれる。

 無色透明の水晶は、宝石というよりは、彫刻品、ビーズ、水晶球などの良い素材であり、また、無線通信機の発信子や、時計の振動子に使われた歴史がある。
 写真のクオーツは、加工を施し、磨りガラス的風合いを持たせたものである。
■主 な 色:無色、黄色、褐色、黒褐色、ピンク色、紫色、緑色、青色、乳白色
■透 明 度:透明ないし半透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7
■比   重:2.65
■屈 折 率:1.544-1.553
■産   地:ブラジル、マダカスカル、アメリカ、スイス、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ビルマ、スリランカ、日本
■価   格:

リング
K18枠
¥29,800

シトリン <黄水晶>
(Citrine)
 シトリン(Citrine)の名称は、柑橘類の意のCitrusに由来する。
 天然のシトリンは稀産のため、市場に出回っているもののほとんどが、アメシストを熱処理して変色させたものである。
 ブラジル産のアメシストは、400〜500℃の加熱で、黄色・帯赤黄色〜帯褐赤色に変化する。
 
 この加熱処理のシトリンがトパーズに似ているため、市場ではトパーズと称する事があるが、これは勿論正しくない。
■主 な 色:黄色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7
■比   重:2.65
■屈 折 率:1.544-1.553
■産   地:ブラジル、スペイン、マダカスカル、ロシア
■誕 生 石:11月
■価   格:

ペンダントネックレス
K18WG S 12.95ct D 0.02ct
¥29,800

ルチレーテッド・クオーツ <針入り水晶>
(Ruti-lated Quartz)
 水晶は他の鉱物をインクルージョンとして含むことが多い。
 その内、赤・黒・真鍮色のルチルの針状インクルージョンを含むものを、「ルチレーテッド・クオーツ」という。
 また、黒色の柱状または針状のトルマリンのインクルージョンを含むものを、「トルマリネーテッド・クオーツ」と呼ぶ。

 そして、これらインクルージョンが針状を示す場合、和名では広く「針入り水晶」という。
■主 な 色:無色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7
■比   重:2.65
■屈 折 率:1.544-1.553
■産   地:ブラジル、マダカスカル、スリランカ、スイス
■価   格:

リング
K18枠 RQ 11.6ct D 0.23ct
¥34,800

ローズ・クオーツ <紅水晶>
(Rose Quartz)
 ピンク色のローズ・クオーツ(紅水晶)は結晶で産出する事は稀で、多くは塊状で産出する。
 透明なものは少なく、たいていは曇りがあり、亀裂が入っている。

 主に彫刻やビーズ玉等装飾品に用いられる。

 ローズクオーツの一部のものは、内包するルチルのインクルージョンにより、アステリズム(星彩効果)を示し、スター・クオーツとなる。
■主 な 色:ピンク色
■透 明 度:半透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7
■比   重:2.65
■屈 折 率:1.544-1.553
■産   地:ブラジル、マダカスカル
■価   格:

リング
K18枠 総重量 22.8g
¥49,800

スター・サファイア
(Star Sapphire)
 糸巻きに光を当てると、外郭の糸への反射光で、糸と直角方向に光の帯が現れる。
 同じく、内部に平行する管状または繊維状結晶を有する鉱物を、カボッション形にカットすると、インクルージョンの方向に直角に、猫の目のような光の線状が現れる。これが「キャッツアイ」である。

 「スタールビー・サファイア」もキャッツアイと同じ原理であるが、内部にシルク・インクルージョンが平行に3方向に分布し、互いに120°に交差しているため、6条のスターになる。 
■主 な 色:青色、紫色
■透 明 度:半透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 9
■比   重:3.99-4.05
■屈 折 率:1.757-1.776
■産   地: ミャンマー、スリランカ
■価   格: ☆☆

リング
Pt枠 SS 5.15ct D 0.20ct
¥168,000

スター・ルビー
(Star Ruby)
 よく「スタールビー・サファイア」のインクルージョンを気にする人がいるが、内部にシルク・インクルージョンを全く含まない石は、スターの出ない単なる「カボッションルビー・サファイア」に終わってしまうのである。
 スター石になるために必要不可欠なシルク・インクルージョンであるが、一面に白濁したように見苦しくなると、やはりその評価は下がる。

 「天二物を与えず」という諺があるが、透明度とスターの強さは相反する関係にある。
 結局、良いスター石とはその調和の取れたものをいうが、写真の石は適度に透明感があり、スターもシャープに出る良品である。
■主 な 色:赤色
■透 明 度:半透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 9
■比   重:3.99-4.05
■屈 折 率:1.757-1.776
■産   地: ミャンマー、スリランカ、ベトナム、インド
■価   格: ☆☆☆
  (インド産)

リング
K18枠 SR 1.57ct D 1.32ct
¥188,000

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た 〜 と
ダイヤモンド
(Diamond)
 ダイヤモンドは万物で最高の硬度を持つ。また、その高い屈折率により、理想的なカットを施せば、上方から入射した光線はほぼ完全に全反射されるので、類稀なる輝きを示す。

 ダイヤモンドの結晶内部では、構成原子の炭素が極めて短い原子間距離で、周囲の炭素と立体的に強固に結合している。これが、最高の硬度と、光学的に密なため、高い屈折率を示す秘密になっている。

 しかし、無色のダイヤが宝石の王として君臨するためには、ダイヤをカットできるのはダイヤのみであるという発見や、研磨法の進歩、そして、ブリリアント・カットの完成など、長い歴史を必要とした。
■主 な 色:無色、黄色、褐色、青色、緑色、ピンク色、灰色、黒色
■透 明 度:透明
■光   沢:ダイアモンド光沢
■硬   度:モース 10
■比   重:3.52
■屈 折 率:2.417
■産   地: オーストラリア、ボッワナ、ロシア、ザイール、南アフリカ、ナミビア、ブラジル
■誕 生 石:4月
■価   格: ☆☆☆☆☆

リング
K18枠 D 2.00ct D 0.10ct
K VS1 G
¥1,498,000

タンザナイト (ブルー・ゾイサイト)
(Tanzanite) <Blue-Zoisite>
 1967年になってタンザニアで、ブルー・サファイア似の、色鮮やかなブルー・ゾイサイトが発見された。
 この魅力的な新種の宝石は、その色合いがちょうど原産地の名山キリマンジャロの、暮色の色に似ていることから、「タンザナイト(タンザニアの夜)」と命名され、アメリカのティファニーによって、大々的に世界に売り出されることとなった。

 このように、タンザナイトの特徴は、見る角度によって青色から紫色に変わる、その多色性にある。
 また、硬度は6〜7と柔らかく、キズつきやすいので、取り扱いには注意を要する。
■主 な 色:青色、紫色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 6-7
■比   重:3.15-3.38
■屈 折 率:1.685-1.725
■多 色 性:三色性(強)青色:紫色:灰緑色
■産   地: タンザニア
■価   格: ☆☆☆

リング
Pt枠 T 2.27ct D 0.23ct
¥198,000

トパーズ
インペリアル・トパーズ <黄玉>
(Imperial Topaz)
 トパーズの色の種類は豊富で、黄色の他、無色、青色、緑色、ピンク色、稀には赤色まである。
 その中で、シェリー酒の色に例えられる、やや赤みのある深い黄金色のトパーズが、インペリアル・トパーズである。
 産地としては、ブラジルのミナス・ジェライス州が唯一の産地である。

 この黄色のトパーズを加熱処理により、ピンク・トパーズに変える事ができる。
 この他ピンク・トパーズはパキスタンで天然の産出をみる。

 市場で「シトリン・トパーズ」と称して売られているのは、全く別種のシトリン(黄水晶)であるので、注意を要する。
■主 な 色:黄色、黄金色、橙色、帯褐黄色、黄褐色、ピンク色、濃ピンク色、時に赤色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 8
■比   重:3.50-3.54
■屈 折 率:1.629-1.637
■多 色 性:三色性(明)黄色:褐黄色:帯ピンク黄色
■産   地: ブラジル、
■誕 生 石:11月
■価   格: ☆☆

リング
Pt枠 IT 1.20ct D 0.42ct
¥74,800

ブルー・トパーズ
(Blue Topaz)
 トパーズには2通りのタイプがあり、化学式はそれぞれAl2(OH)SiO4と、Al2(F)SiOである。
 両者には、屈折率、比重、インクルージョンに微妙な差が見られる他、色・産地も異にしている。

 ブラジル特産のインペリアル・トパーズは(OH)タイプで、無色や青色のブルート・パーズ、及びブラジル産以外の黄色トパーズは(F)タイプである。

 また、ホワイトトパーズを放射線処理をすると、ブルートパーズに変えることが可能で、現在市場にはこの処理石がかなり出回っている。
 そのため、同じトパーズでありながら、インペリアル・トパーズとブルー・トパーズの間にはかなりの価格差がある。 
■主 な 色:淡青色、青色、淡緑青色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 8
■比   重:3.56-3.57
■屈 折 率:1.610-1.620
■多 色 性:三色性(明)青色:淡ピンク色:無色
■産   地: ブラジル他
■誕 生 石:11月
■価   格:

リング
K18WG BT 27.6ct D 0.10ct
¥44,800

トルコ石
ボーン・トルコ石
(Bone Turquois)
 太古の動物(マンモス、恐竜)の骨や牙が化石化して、トルコ色を呈するようになったものに、オドントライトがあり、これを「ボーン・トルコ石」というが、実際はトルコ石ではなく、別種の鉱物である。
 「ボーン・トルコ石」に対して、本来のトルコ石を「ロック・トルコ石」と称して区別する。

 しかし、わが国で「ボーン・トルコ石」として称している石は、主にアメリカ産の他孔質のロック・トルコ石に、アクリル樹脂を浸透させ、コーティングを施したもので、写真に見るように綺麗なトルコ色を呈するものが多い。
 
■主 な 色:空青色、帯緑青色
■透 明 度:不透明
■光   沢:樹脂光沢ないし蝋光沢
■硬   度:モース 5
■比   重:3.0-3.5
■屈 折 率:1.57-1.63
■産   地: ロシア(シベリア)、南フランス
■誕 生 石:12月
■価   格:

リング
K18枠
¥39,800

ロック・トルコ石
(Rock Turquois)
 その名称からトルコで産出するように思われ勝ちだが、トルコでは古来から現在に至るまで全く産出がない。
 古くからイランやエジプトで採れた石が、トルコを経由してヨーロッパにもたらされた名残である。
 産地としては、この他アメリカや中国・チベットなどがある。

 トルコ石は褐鉄鉱や砂岩に産出することが多いため、それらをインクルージョンとして取り込み、写真に見る通り、しばしば網目状の「ネット」を形成する。そして、欧米ではこのネット模様の美しい石を珍重する風潮がある。 
■主 な 色:空青色、帯緑青色、青緑色、緑色
■透 明 度:不透明、透明(結晶)
■光   沢:樹脂光沢ないし蝋光沢
■硬   度:モース 5-6
■比   重:塊状石2.40-2.85(産地により差)結晶石2.84
■屈 折 率:結晶石1.61-1.65塊状石1.62
■産   地: イラン、エジプト、アメリカ、中国、チベット
■誕 生 石:12月
■価   格:

リング
K18WG枠 D 0.17ct
¥59,800

トルマリン
トルマリン
(Tourmaline)
 トルマリン程豊富なカラーバリエーションを持った石も珍しい。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の他、無色から黒色まで、ほとんど全色が揃っているといってよい。
 主に宝石に用いられるのは、緑色と青色とそして赤色であるが、青色一つをとっても、ブルー・トルマリン、さらに青色の濃いインディコライト・トルマリン、独特の蛍光色のパライバ・トルマリン等、幅広い色がある。

 トルマリンは和名の「電気石」に見る通り、加熱あるいは摩擦により、容易に帯電する性質がある。
 最近では、マイナスイオンを発生するということで、健康ジュエリーとしてブームを起こしたことは、周知の通りである。 
■主 な 色:緑色、ピンク色、赤色、赤紫色、紫色、青色、黄色、橙色、褐色、無色、黒色
■透 明 度:透明、半透明(キャッツ石)
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7-7.5
■比   重:3.03-3.25
■屈 折 率:1.616-1.652
■多 色 性:
緑色石二色性(強)淡緑色:濃緑色
赤色石二色性(強)ピンク色:赤色
■産   地: ブラジル、アメリカ、ロシア、ミャンマー、スリランカ、マダカスカル、モザンビーク、タンザニア
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆

リング
Pt枠 T 6.47ct 0.25ct
¥89,800

ウオーターメロン・トルマリン
(Watermelon Tourmaline)
 トルマリンの結晶で、内部がピンク・赤色で、外側が緑色(その逆の場合もある)のものがある。それは丁度、スイカ(ウオーター・メロン)の果肉と外皮に似ていることから、ウオーターメロン・トルマリンと称する。

 このトルマリンだけに見られる特徴的な結晶は、この石を輪切りにして研磨した時に、一層顕著なものになる。
■主 な 色:緑色、ピンク色、赤色、赤紫色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7-7.5
■比   重:3.03-3.25
■屈 折 率:1.616-1.652
■多 色 性:
緑色石二色性(強)淡緑色:濃緑色
赤色石二色性(強)ピンク色:赤色
■産   地:南アフリカ 、マダカスカル、モザンビーク、タンザニア、ブラジル
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆

ネックレス
K18枠
¥69,800

パーティカラード・トルマリン
(Parti-coloured Tourmaline)
 トルマリン程多彩な色を持った石も珍しいと書いたが、結晶中に2色以上が混在するケースも多く、これを「パーティカラード・トルマリン」という。

 色の組み合わせとしては、ピンクとグリーンや、ピンクとブルーといったものが、人気がある。
 また、二色のコントラストもバランスが取れているものがよく、一方の色のみが強すぎる場合は人気がない。
■主 な 色:緑色、ピンク色、赤色、赤紫色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7-7.5
■比   重:3.03-3.25
■屈 折 率:1.616-1.652
■多 色 性:
緑色石二色性(強)淡緑色:濃緑色
赤色石二色性(強)ピンク色:赤色
■産   地: ブラジル、ナイジェリア、アメリカ
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆

ネックレス
K18枠
¥59,800

パライバ・トルマリン
(Paraiba Tourmaline)
 1989年のごく最近に、それまで見たこともない色鮮やかな新種のトルマリンが、ブラジルのパライバ州で発見された。
 産地の名前を取って「パライバ・トルマリン」と名付けられたこの石は、蛍光塗料のような照りのある、ブルーとグリーンの色合いをしている。そして、その独特の色は内部に含まれた銅と酸化クロムによるものである。

 発見された1年間は本格的な採掘が行われたようであるが、現在はほとんど産出がない。そのため、パライバ・トルマリンはその美しさと共に稀少性から、宝石の中でも際立った高値を呼んでいる。
■主 な 色:緑色、青色、
■透 明 度:透明、
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7-7.5
■比   重:3.03-3.25
■屈 折 率:1.616-1.652
■多 色 性:
緑色石二色性(強)淡緑色:濃緑色
■産   地: ブラジル・パライバ州
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆☆☆☆

ペンダントネックレス
Pt枠 PT 0.32ct D 0.50ct
¥99,800

ピンク・トルマリン
(Pink Tourmaline)
 トルマリンには、色々な色があると書いたが、以前は特に安価な製品などには「ピンクトルマリン」なる色名が一番多かった。
 ところが、数年前アフリカで産出された、レッドトルマリン似の色の濃いトルマリンが、「ルーベライト」との呼称で市場に出回るようになると、呼び名も大分変わって来たようだ。
 以前ならピンクトルマリンと呼ばれていた石が、今ではルーベライトでまかり通っていたりする。
 このように、かっての「ピンクトルマリン」も「レッドトルマリン」も、今ではすっかり「ルーベライト」に取って代わられそうな状況である。
■主 な 色:ピンク色、赤紫色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7-7.5
■比   重:3.03-3.25
■屈 折 率:1.616-1.652
■多 色 性:
赤色石二色性(強)ピンク色:赤色
■産   地: ブラジル、アメリカ、ロシア、ミャンマー、マダカスカル、モザンビーク、タンザニア
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆

ペンダントネックレス
K18WG枠
PT 1.75ct 3.86ct D 0.02ct
¥59,800

ルーベライト
(Rubelite)
 赤色とピンクのトルマリンを「ルーベライト(Rubelite)」と呼ぶが、これは、ルビーと同じく、ラテン語で赤を意味する「Ruber」という語に由来していて、文字通り「ルビーのようなもの」という語意である。

 ルーベライトには、ピンク・トルマリンからレッド・トルマリンまで含まれるようだが、この内評価が高くなるのは、色の濃いルビー・レッドのものである。

 ここ数年アフリカで多くの産出を見たという事で、ルーベライトが市場に出回り、ブームを呼んでいる。 
■主 な 色:ピンク色、赤色、赤紫色
■透 明 度:透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 7-7.5
■比   重:3.03-3.25
■屈 折 率:1.616-1.652
■多 色 性:
赤色石二色性(強)ピンク色:赤色
■産   地: ブラジル、アメリカ、ロシア、ミャンマー、マダカスカル、モザンビーク、タンザニア
■誕 生 石:10月
■価   格: ☆☆

ペンダントネックレス
Pt枠 RT 3.31ct D 0.18ct
¥89,800

南洋パールはパールを参照
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は 〜 ほ
パパラチャはサファイアを参照
パライバ・トルマリンはトルマリンを参照
パール
アコヤ・パール
 貝で貝殻を造る器官を外套膜というが、異物が外套膜の内部に入った時、外套膜の上皮細胞は真珠袋を異物の周りに造り、真珠層で被うことでこれを隔離しようとする。こうして形成されたものが真珠である。
 また、異物がなくても、何らかの原因で上皮細胞の一部が外套膜の内部に入り込んでも、やはり真珠を形成する。

 養殖真珠は、人為的に核と外套膜の組織片(ピース)を外套膜の内部に入れることにより、真珠の形成を促進させるものである。
 我が国で養殖に使われる母貝はアコヤ貝であるが、貝の大きさからして、造られる真珠は10〜11ミリ玉が限度である。
■主 な 色:ピンク、ホワイト、シルバー、ブルー、グリーン、クリーム、ゴールド
■透 明 度:不透明
■光   沢:真珠光沢
■硬   度:モース 2.5-4.5
■比   重:2.60-2.78
■屈 折 率:1.53-1.69
■産   地: 日本
■誕 生 石:6月
■価   格: ☆☆☆

リング
K18枠 P 10.5mm D 1.28ct
¥188,000

ケシ・パール
 真珠の養殖期間中に、母貝の胎内に偶然に入った、小石や虫を核として形成された天然真珠で、ケシの種子のように小粒のものをいう。
 実際には、養殖真珠ができる過程で、副産物のようにして、胎内より取り出されるもののようである。

 写真は、白蝶貝のケシ・パールネックレスである。一見すると、小粒の淡水パールネックレスのように見えるが、価格は淡水パールネックレスより遥かに高い。 
■主 な 色:ホワイト、シルバー、ブルー、グリーン、クリーム、ゴールド、ブラック、ブラウン
■透 明 度:不透明
■光   沢:真珠光沢
■硬   度:モース 2.5-4.5
■比   重:2.60-2.78
■屈 折 率:1.53-1.69
■産   地: 各地
■誕 生 石:6月
■価   格: ☆☆

ネックレス
SV枠 70cm 10連
¥89,800

ゴールド・パール
 白蝶貝は、貝殻の内側の真珠層が銀白色のものと、黄色のものとに分けられる。
 前者はオーストラリア付近に多く生息し、シルバーやブルー系の南洋真珠を生み出し、「シルバーリップ種」と呼ばれる。後者はインドネシア付近に生息し、ゴールド、クリーム、シルバー系の真珠が生まれ、「ゴールドリップ種」と呼ばれる。

 この黄色の色は、真珠層を形成している、炭酸カルシウムの結晶を結び付けているたんぱく質に、黄色の色素が含まれているために拠る。
■主 な 色:ゴールド、クリーム、シルバー
■透 明 度:不透明
■光   沢:真珠光沢
■硬   度:モース 2.5-4.5
■比   重:2.60-2.78
■屈 折 率:1.53-1.69
■産   地: インドネシア
■誕 生 石:6月
■価   格: ☆☆☆

リング
Pt枠 P 14.0mm D 1.47ct
¥598,000

淡水・パール
(Fresh Water Pearl)
 昔は琵琶湖や霞ヶ浦で養殖されていたが、現在ではほとんどが中国産に代わった。 
 イケチョウ貝、ヒレイケチョウ貝や中国の三角帆貝が淡水真珠の母貝となる。

 淡水真珠は貝の外套膜の組織片(ピース)だけを母貝に入れて養殖する、無核真珠が主流である。
 このため、ライスからラウンドまで、あらゆる形の真珠が採れ、また、色のバリエーションも豊富である。
 さらに、比較的安価に製品を入手できるので、これからが楽しみな真珠といえる。
■主 な 色:ホワイト、ワイン、オレンジ
■透 明 度:不透明
■光   沢:真珠光沢
■硬   度:モース 2.5-4.5
■比   重:2.60-2.78
■屈 折 率:1.53-1.69
■産   地:中国、 日本
■誕 生 石:6月
■価   格:

リング
K18枠
¥27,800

ブラック・パール (黒蝶真珠)
 黒蝶真珠は、熱帯〜亜熱帯に生息している、黒蝶貝により生産される。
 水温・水質に非常に敏感な貝なので、サンゴが生息するような、綺麗な海水域でないと養殖は難しいとされ、実際にはタヒチのサンゴ環礁で90%以上が生産され、その内80%以上が日本に輸出されている。

 黒蝶真珠の特色は色と形の多様さにある。
 色は、ピーコック・カラー(孔雀色)を初めとして、ブラック、レッド、グリーン、ブルー、グレーと多彩である。
 また、黒蝶貝は、内臓の運動量が活発なため、養殖期間中に珠が体内で回転し、サークル珠をはじめ様々な形の真珠ができる。
■主 な 色:グレー、ブラック、グリーン、レッド、ピーコックグリーン、ホワイト、ブルー
■透 明 度:不透明
■光   沢:真珠光沢
■硬   度:モース 2.5-4.5
■比   重:2.60-2.78
■屈 折 率:1.53-1.69
■産   地: タヒチ、クック諸島、日本(奄美大島、石垣島)
■誕 生 石:6月
■価   格: ☆☆

リング
Pt枠 BP 12.6mm
¥79,800

南洋・パール
 熱帯の海に生息している、白蝶貝により養殖される真珠をいう。
 白蝶貝は30cmの大きさにもなる、寿命20年に及ぶ最大の真珠貝で、このため、できる真珠の多くは直径10mm以上あり、中には16〜17mmに及ぶものもある。
 また、養殖期間も2年間と長いため、真珠層の厚い真珠が形成される。
 さらに、白蝶貝は貝も大きく高価なため、1回の養殖で死んでしまうアコヤ貝と違って、一つの貝を2〜5回も使用する。

 産地は右の通りであるが、この内オーストラリアとインドネシアで90%以上が生産される。 
■主 な 色:シルバー、ブルー、クリーム、ゴールド
■透 明 度:不透明
■光   沢:真珠光沢
■硬   度:モース 2.5-4.5
■比   重:2.60-2.78
■屈 折 率:1.53-1.69
■産   地: オーストラリア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、タイ
■誕 生 石:6月
■価   格: ☆☆☆

リング
Pt枠 P 15.5mm D 0.12ct
¥298,000

マベ・パール
 母貝のマベ貝は、世界の熱帯・亜熱帯海域に生息しているが、亜熱帯の北限に位置する奄美大島のマベ貝の真珠層は、独特の虹色を呈し、最高品質といわれている。
 マベ・パールの特徴は、貝殻の内側に核を接着剤で貼り付け、真珠層を形成させる、半円形の真珠であるが、近年は養殖技術の向上で、少量ながら球形のものも採れつつある。
 かっては、半円真珠自体をマベパールと呼んだこともあったが、白蝶貝による半円真珠はシルバーやゴールデンなのに対し、マベ貝によるものは独特の虹色に輝いており、区別される。 
■主 な 色:淡ピンク、バラ色、ピーコックカラー、ゴールド、ブルー
■透 明 度:不透明
■光   沢:真珠光沢
■硬   度:モース 2.5-4.5
■比   重:2.60-2.78
■屈 折 率:1.53-1.69
■産   地: 日本(奄美大島)
■誕 生 石:6月
■価   格: ☆☆

リング
K18枠 MP 20mm
¥39,800

ヒスイ
ヒスイ (ジェダイト)
(Jade) <Jadeite>
 ひすいは漢字で「翡翠」と書くが、鳥のカワセミのことであり、翡は赤色を、翠は緑色を意味する。
 このようにヒスイは緑色はもちろんのこと、赤、白、薄紫、黒など、多彩な色がある。

 ヒスイの主要産地は、ミャンマーである。中国で産出されるように思われているのは、ミャンマー産のヒスイを長年中国で加工・販売して来た歴史による、誤解である。

 中国で産するのは、「ネフライト・軟玉」という別種のヒスイで、我々がヒスイと呼ぶ本ヒスイ(ジェダイト・硬玉)ではない。両者には著しい価格差があるので、注意を要する。
■主 な 色:緑色、白色、紫色、青色、赤色、橙色、黄色、黒色
■透 明 度:半透明、不透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 6.5-7
■比   重:3.25-3.36
■屈 折 率:1.640-1.667
■産   地: ミャンマー
■誕 生 石:5月
■価   格: ☆☆☆

リング
Pt枠 J 4.04ct D 0.06ct
¥118,000

ラベンダー・ヒスイ
(Lavender Jadeite)
 ヒスイには上に述べたように色々な色があるが、その中でも商業的に価値があるのは、緑色のヒスイであり、ラベンダー色のひすいがこれに続く。

 緑色のヒスイでは、透明感に溢れ、濃緑色のヒスイを俗に「ロウカンタイプ」のヒスイといい、最高のものとする。

 ラベンダー・ヒスイはアメリカで人気のある石だったが、近年日本でも愛好する人が増えてきた。
 ブルーカルセドニーに近い、色が薄い石が多い中で、写真のラベンダー・ヒスイは色の濃い良品である。
■主 な 色:淡紫色、紫色
■透 明 度:半透明、不透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 6.5-7
■比   重:3.25-3.36
■屈 折 率:1.640-1.667
■産   地: ミャンマー
■誕 生 石:5月
■価   格: ☆☆

リング
Pt枠 LJ 8.59ct D 0.74ct
¥198,000

プラチナは貴金属を参照
ブラック・パールはパールを参照
ブルーカルセドニーはめのう類を参照
ブルー・トパーズはトパーズを参照
ペリドット <かんらん石>
(Peridot)
 緑色のポピュラーな宝石ペリドットは、鉱物的には「オリビン」(オリーブグリーン色の石)という。
 古くは、「クリソライト」といい、その中の黄緑色の宝石をペリドットと呼んでいたようである。その後、用語統一がなされ、現在の「ペリドット」で呼称されるようになった。

 初めてペリドットを産出したのは、エジプト領の紅海に浮かぶ火山島・セント・ジョン島で、もう3500年に渡って採掘が続けられているという。
 以前ハワイで、「ハワイ・ダイヤモンド」と称して、ペリドットが売られているのを見た事があるが、実際には、アメリカ・アリゾナ州やオーストラリアから運ばれて来たもののようである。 
■主 な 色:黄緑色、帯緑黄色、緑色、帯褐緑色
■透 明 度:透明(オイリー状)
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 6.5-7
■比   重:3.22-3.45
■屈 折 率:1.650-1.690
■産   地: エジプト(セント・ジョン島)、アメリカ、ミャンマー、ノルウェー、オーストラリア、ブラジル
■誕 生 石:8月
■価   格:

リング
K18枠 P 13.3ct
¥36,800

ホワイト・ゴールドは貴金属を参照
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ま 〜 も
マベ・パールはパールを参照
アジュル・マラカイト
(Azurmalachite)
 濃緑色の不透明石のマラカイトは、鮮やかな同心円状の縞模様を描き、それが孔雀の羽を連想させることから、「孔雀石」の和名がある。
 硬度は3.5-4.5しかなく、耐久性に欠けるにもかかわらず、その美しさから宝石として人気がある。
 
 この石と同族で、青色を呈するものを、「アジュライト」。そして、緑色と青色の2色を同時に示すものを、「アジュル・マラカイト」という。

 その鮮やかな緑色は、銅成分に起因するが、実際、マラカイトは世界の銅鉱石が取れる同じ地域にて産出する。
■主 な 色:青色、緑色
■透 明 度:不透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 3.5-4.5
■比   重:3.60-4.05
■屈 折 率:1.655-1.909
■産   地: ザイール、ロシア、オーストラリア、アメリカ、■価   格:

リング
K18枠
¥29,800

ミステリー・セッティング
(Mystery seting)
 初めてフランスのヴァン・クリフ&アーベルがその技法を発表した時、石が上から「爪留め」や「覆輪留め」などの従来の留め方で一切留められていないで、ミステリーだという事で、「ミステリー・セッティング」なる名前が付けられた。

 実際は、石の側面に溝を彫り、同時に石の下側にT字型のレール状の枠の台座をを設ける。、そして、T字型の枠の横に突出した処に、石の溝をはめ込んでいく、という一種のレール留めである。

 この技法によると、爪や枠に邪魔さずに宝石を美しく留められる反面、石に余分なカット面を造らなければならない。また、ジグソーパズルのように、一つ一つの石を丹念に留めていくので、製品を完成させるのに長い期間を要する。

 結果として、ミステリー・セッティングの製品は大変高価なものとなると共に、非常にデリケートな留め方をしているので、その取り扱いには細心の注意を必要とする。

リング
K18枠 S 1.31ct D 0.87ct
¥168,000

ムーンストーン <月長石>
(Moonstone)
 乳白色の石の中に、青白い、あたかも月光を連想させる光りが漂うために、その名前が付けられた。和名を月長石という。

 このような、この石特有の「シラー効果」は、その主成分の正長石と曹長石が交互に重なった層状組織への、光りの干渉作用と内部反射によるもの、と考えられている。
 通常のムーンストーンは乳白色であるが、インドからはオレンジ・ムーンストーンも産出される。

 ムーンストーンはこのように神秘的な効果があり、しかも安価に入手できるため、10年程前に一大ブームを引き起こした。 
■主 な 色:白色、青色、橙色
■透 明 度:半透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 6
■比   重:2.56-2.59
■屈 折 率:1.520-1.528
■産   地: スリランカ、インド、ミャンマー、マダカスカル、タンザニア、アメリカ
■誕 生 石:6月
■価   格:

リング
K18WG枠 M 9.65ct I 3.71ct
¥99,800

めのう類
オニキス
(Onyx)
 「オニキス」はギリシャ語で爪の意味である。つまり、爪の半月形の白色とピンク色から連想されるように、縞模様を表す。
 このように、本来「オニキス」は「アゲート」(下記参)と同種のものであるが、その中で直線状の縞模様のものを指す。

 しかし、現在市場で「オニキス」と呼ばれているものは、縞目に関係なく、黒色のブラックオニキスをいう。
 そして、これはアゲートを砂糖水に浸した後、硫酸中で加熱して砂糖を炭化させ、人工着色されたものである。
■主 な 色:黒色(着色)
■透 明 度:半透明ないし不透明
■光   沢:ガラス光沢(やや脂光沢)
■硬   度:モース 7
■比   重:2.57-2.64
■屈 折 率:1.530-1.539
■産   地: ブラジル、ウルグアイ、インド、アメリカ、南アフリカ
■価   格:

リング
Pt枠 総重量 9.0g
¥35,800

ブルー・カルセドニー
(Blue Chalcedony)
 下に述べるように、色が均一なめのうを「カルセドニー」という。
 カルセドニーにしろアゲートにしろ、その色によって別名を持っているものもあるが、その別称のないものは、それぞれの色名を冠して呼ばれている。

 少し靄のかかったような淡青色で、落ち着いた雰囲気のある「ブルーカルセドニー」は、人工着色の多いめのうの中では天然色であるが、最近産出量が減少していて、代わって淡色の天然石に着色処理したものが、市場に出回り始めているようである。 
■主 な 色:淡青色
■透 明 度:半透明ないし不透明
■光   沢:ガラス光沢(やや脂光沢)
■硬   度:モース 7
■比   重:2.57-2.64
■屈 折 率:1.530-1.539
■産   地: ブラジル、インド、マダカスカル、ウルグアイ
■価   格:

リング
K18WG枠 D 0.04ct
¥49,800

アゲート <瑪瑙>
(Agate)
 古来から、世界各地のポピュラーな宝石であり、我が国でも七宝の一つに数えられる「めのう」は、水晶と同成分の、地球上で最もありふれた石英質の宝石である。そして、単結晶質の水晶に対し、目に見えない微細な潜晶質構造をしている。
 「めのう」はさらに、色が均一な「カルセドニー」(玉髄)と、縞模様の「アゲート」(瑪瑙)に分けられる。

 和名の「瑪瑙」は、原石が腎臓状の形状で産出されることが多く、それが馬の脳みそに似ているところから、「瑪瑙(馬脳)」の名が付けられた。
■主 な 色:白色、灰色、青色、赤色、褐色、黄色、淡緑色、緑色、濃緑色、赤褐色、黒色
■透 明 度:半透明ないし不透明
■光   沢:ガラス光沢(やや脂光沢)
■硬   度:モース 7
■比   重:2.57-2.64
■屈 折 率:1.530-1.539
■産   地: ドイツ、ブラジル、ウルグアイ、インド、アメリカ
■価   格:

ブローチ
K18WG枠 D 0.04ct
総重量 24.4g
¥69,800

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ら 〜 ろ
ラピスラズリ <瑠璃>
(Lapis-lazuli)
 ラテン語で「Lapis」は石、「Lazur」は青色を意味する。
 青色は黄色と補色の関係にあり、黄金色に最もマッチするため、洋の東西を問わず、金製の装身具に数千年来使用されて来た。我が国でも「瑠璃」と呼ばれ、七宝の一つに数えられて、親しまれている。

 ラピスラズリは、他の宝石がほとんど単体の鉱物であるのに対して、ラズーライト(天藍石)、ソーダライト、アウイン、ノーゼライトなど複数の鉱物の集合体である。従って、その物理的特性である屈折率や比重はかなりの幅がある。

 深い群青色の地肌に、金粉が混じっているように見えるものが尊重されるが、この黄金色のインクルージョンは、黄鉄鉱であり、金ではない。 
■主 な 色:紺青色(黄鉄鉱の金色斑点在)
■透 明 度:不透明
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 5-5.5
■比   重:2.38-2.95
■屈 折 率:平均1.50
■産   地:アフガニスタン、ロシア、チリ、アメリカ
■誕 生 石:12月
■価   格:

リング
K18枠 D 0.47ct
¥79,800

ルビー
(Ruby)
 ルビーは、ダイヤに次ぐ硬度9の硬さを持つ、サファイアと同じコランダム宝石であり、酸化アルミニウムが結晶したものである。ただ、微量に含有される着色成分の酸化クロムにより赤色を呈し、サファイアとは区分される。

 ミャンマー産のルビーは酸化クロムの含有が多く、赤色を呈し、かっては代表的産地だった。しかし、1960年の政変による鉱山の国有化により、現在産出量は激減している。
 代わって、一大産地にのし上がったのがタイである。タイ産のルビーは、鉄分を多く含み、褐色を帯びた赤色となるのであるが、加熱による色の改良の技術の進歩により、世界のルビーの80%を産出するまでになった。
■主 な 色:赤色
■透 明 度:透明、半透明(スター石)
■光   沢:ガラス光沢
■硬   度:モース 9
■比   重:3.99-4.05
■屈 折 率:1.757-1.776
■多 色 性:2色性(強)帯黄赤色:赤色
■産   地: ミャンマー、タイ、スリランカ、ベトナム、カンボジア、タンザニア、ケニア
■誕 生 石:7月
■価   格: ☆☆☆☆

リング
Pt枠 R 3.04ct D 0.64ct
¥398,000

ルーベライトはトルマリンを参照
ローズ・クオーツは水晶類を参照
あ〜お か〜こ さ〜そ た〜と な〜の
は〜ほ ま〜も やゆよ ら〜ろ
「宝石写真小図鑑」について
★ 各宝石の項目の右枠の<価格>は、平均的な品質(中級品)の裸石の、1カラット当りの価格を他の宝石と比較して、次のようにランク付けしてあります。(パール・サンゴについては1個当りの価格を比較しました)

☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆
非常に高価 高価 やや高価 普通 安価

しかし、これらはあくまでも宝石の売り買いに携わる者の経験に基づく、ごく大雑把な格付けにしかすぎません。

★ 同じく左枠の写真と価格は、「JEWELRY AYA 」の商品を使用しましたが、既に売却したものも多く、これらの品が現在必ずしも在庫があるとは限りません。


★ この小図鑑の完成にあたり、次なる<書籍>を参考にしました。

■ 「新訂・宝石ーその美と科学」 近山晶著 全国宝石学協会発行
■ 「宝石の写真図鑑」 キャリー・ホール著 (株)日本ヴォーグ社発行
■ 「世界のジェムストーン図鑑」 ヴァルター・シューマン著 柏原書店松原(株)発行
■ 「宝石ー品質の見分け方と価値の判断のために」 諏訪恭一著 (株)世界文化社
■ 「全面改訂版・プロが本音で語るー宝石の常識」 岡本憲将著 (株)双葉社
■ 「宝石への扉」 池田裕著 柏原書店松原(株)発行
■ 「ジェム・テスティングー日本語版」 B.W.アンダーソン著 全国宝石学協会発行

特に「新訂・宝石ーその美と科学」は、信頼すべき出典として、各宝石の項目の右枠の特性値をほとんどそっくり転載したのみならず、内容も随所に引用しました。
その他の書籍も多数引用しました。そもそも、この小図鑑は私の著作というよりは、上記書籍の編纂とでも呼ぶべき性格のものです。

JEWELRY AYA 山本稔
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